娘は小学校に上がる前だったので、
まだ漢字が読めない。
そのため、
『楽しんでね』という看板を
漢字以外の部分
「しんでね」
つまり、
「死んでね」
と読んでいた。
読んでいた時点ではそわそわしつつも
まだ自殺しようとは思っていなかったのかもしれないが、
語り手が
『入り口に書いてあるようにしないと駄目だぞ』
と言ってしまったがために、
娘は書いてあったことを守って死ぬことを選んだ。
語り手の余計な一言によって
娘は自殺してしまう。
俺はさとし(子ども)を連れて遊園地に来た。
さとしは最近字を覚えた。
遊園地の入口には
「楽しんでね」
という看板が立ててあった。
さとしはその看板を見て急に静かになった。
「どうした?どっか痛い?」
さとしは何も言わない。
とりあえず遊園地に入り、観覧車やらジェットコースターに乗った。
「たのしかったなー」
未ださとしは無言。
疲れてるのかと思い、遊園地内にあったタワーに登った。
1番上まで行き、ジュースを飲みながら休んだ。
すると、さとしは急に立ち上がり、タワーから飛び降りた。